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CROW―二つの魂―

第1章 第一部:若き戦士の覚醒

「九郎!」

愛子の去った、玄関をボーっと眺めていると、母 の久美子に声をかけられた。

「んあ?」

「なにそんなとこでボーっと突っ立てんの?片付 かないから早くご飯食べちゃいなさい?」

「はーい……」

母、久美子は主婦。

昼間はコンビニのパートに出ている。

「母さんは今日も帰りは五時くらい?」

九郎は母の作った、朝食を食べながら、母 に聞いた。

「うん、そのくらいかな?まぁ、学校から帰って きてお腹が空いたら適当になんか食べといて。 あ、でも夕飯もあるんだから食べ過ぎちゃダメよ?」

「うん。あれ?父さんは?」

「あぁ、なんか早朝会議があるとかなんかで早く に出て行ったわよ?」

九郎の父、雄一郎は中小企業の営業課長だ

「ふ~ん……父さんも大変だねぇ~」

「そうよ感謝しなさい。父さんが頑張っているか らこそあんたたちは食べていけるんだからね!」

「わかってるって」

「ところであんた、そんなゆっくりしていていい の?」

時計はもう七時四十五分を指していた。

「やっべ!」

本日二度目の、「やっべ!」を叫びつつ、九郎は 朝食を猛烈な勢いで片づけ始めた。

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