
続:眠れぬ王子と猫な僕
第1章 初めての友達
か、がみ…まつる……?
僕は記憶を巡らせてみた。
あっ!カフェで話してた人…
「き、聞いてますっ…僕、雨凪…妖巳、です」
「ははっ。わかってるつの(笑)」
「〜っ///ごめんなさい…」
「いや、てかタメ語でいいよ。」
「てめえ、横から入ってきて姫と喋ってんじゃねーよ」
秋津君は架神君に食い下がった。
架神君は苛ついたように秋津君を睨んだ。
僕にはその表情が見えなかったけど、秋津君は軽く退いた。
「悪いけど雨凪は俺と仲良くすっから、引っ込んでろ。
怖がらせんなよ」
「ッんだよ!……チッ行こうぜ…」
秋津君達は皆、教室を出ていった。
「…架神君、ぁりがと…ぅ」
「気にすんな。前から彼奴らとは仲悪いし、愁にも頼まれてた。
あと、友達になんなら呼び捨てでっ!わかった?」
ぴっと指を一本、僕のお鼻の前に出してきた。
僕は少しビックリして、
「へ?…ぁ、うん。か、架神……?」
と、少し曖昧に答えた。
「んー…架神ってちょっと雨凪らしくないから、茉絃、かな?」
「ま、ま……つる」
「よろしくな、雨凪♪」
茉絃はさっきまでとは別人のような優しい表情で僕に接してくれた。
赤司くんを蹴った時は怖かったけど、初めて出来た友達に
とても心が弾んだ。
