カイダン
第2章 ミオ
「ん、ここは?」気がつくとそこは見知らぬ部屋。少し肌寒い。しばらくすると足音が聞こえてきた。「あ、気がついた。」聞き慣れた声、澪だ。澪は手に何か持っていた。それは・・。「ああ、これ?」ゆっくりと澪がそれを見せてくる。首だけとなった梨李だった。「あぁぁァァ!」俺は発狂し嘔吐した。胃の中の物をすべてぶちまけてもまだ胃液が出る。澪は笑う。「何でこんな事したか分かる分からないよね?今日ね、あなたの後をついていったのよ。そうしたらあなた会社じゃなくて見知らぬ家に入っていくじゃない。私驚いちゃった。」澪は楽しそうに喋り続ける。目は虚ろになり何かに取り憑かれているみたいだ。「私はね、あなたが眠った後にこの女の所に行ったの。そしたらね、帰って!ってうるさかったから指を切断してやったの。それでねしゅうくんの事を聞いたの。教えなかったら殺すって脅してね。そうしたら言うから殺さないでって涙をボロボロ流して言ってくるの。だから私は全部聞いたあと殺してやったの。しぶとかったよ。包丁で刺しても刺しても全く死なないの。だから何度も何度も刺してやったわ。そうしたら動かなくなったからトドメに首を切り落としたの。」俺はその一部始終を頭で想像してまた吐き気が襲ってきた。吐いた物を指ですくい、澪は舐めた。俺は動こうとしたが、動けない。首に何かついていた。澪はまた笑い、「無駄だよ。その首輪は私が持ってる鍵じゃないと取れないよ。だからここで私と一緒に暮らしましょ?永遠に。死ぬまで。」俺は泣きじゃくった。すると澪が近づいてきて俺の右太股に包丁を刺してきた。「ぐあああ!」俺は悲鳴をあげる。「うるさいの。あなたは私のペットなんだから勝手に口を開くな。」さっきまでの態度とは一変した。澪はまた優しい顔に戻り、「大丈夫。私がず~っと面倒見てあげるから、ね?」澪は口付けをしてきた。俺は占めた、と思い澪の首を絞めにかかった。このままではこっちが殺される、なら先に殺ってやる。俺は暴れる澪の首をなおも締め続ける。澪は動かなくなった。俺は澪が動かなくなったのを確認し、澪のポケットから鍵を取り出して首輪を取った。俺は右太股の痛みをこらえ、部屋から出た。部屋から出るとそこは外だった。俺は澪の車を見つけキーがつけっぱなしだったのでエンジンをかけた。ふと後ろを向く。澪が今にも襲ってくるのではないかという恐怖感からだ。俺は車を走らせた。