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おうさまの金曜日

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スライダーに向かって叫んでみたが返答はない。仕方ないので屋内から外に出て探すことにした。

石造りの廊下は弧を描いていて、その中央には綺麗な花々が咲き乱れ、噴水がキラキラと水しぶきを上げていた。

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viernes

キレイ…こんな所もあったんだ

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ビアルネスは引き寄せられるように噴水に近寄った。

日は暮れかかり陽射しが優しく彼女を包む
花の香りが心地よい、ウットリとした気分で噴水のキラメキを眺めていた。

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sigma

こんな所で何をしてる?

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不意に声をかけられ、ビアルネスは声のした方へ振り返る

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viernes

ごめんなさい!噴水があまりにキレイで見惚れてたかも
あ、あっ…わたし、人を探してて…行かなくちゃ

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ビアルネスは声を掛けてきたオトコを見上げた。

日に焼けた逞しい躯体、割れた腹筋、切れ長の眼
しかも長身でイケメン!

何この人、イベントのパフォーマーかな?

ビアルネスはジッと見つめてしまった。

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sigma

オマエは新しい侍女なのか?

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今度はビアルネスがジロジロと見られた。

深緑の瞳が頭の上からつま先までじっくり品定めするようにゆっくりと視線が動く
スッと目が合う…強い眼差し

ビアルネスはなぜか目をそらす事が出来なかった。

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viernes

ジジョ?
わたしは5人姉妹の末っ子だから、ゴジョだよ

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