関係X
51
秀美
あなた、覚えてるかしら。
私が兵庫の山で岩肌の舗装工事をしているとき、うっかり足を滑らせて落ちそうになったところを、手を伸ばして助けてくれたわね。
52
英雄
え!?
53
秀美
私は、あなたに命を救われたの。思わず、「ヒーローがきたっ!」て思った。
だけど、付き合おうとまでは思いませんでした。
54
英雄
いや、最後のそこはなんとも傷つくが……。
たしかに、そんなことがあったような気がする。
55
みつえ
それって俺達が、建設会社でバイトしてた時の話?
あれ、君だったの?
56
英雄
話を聞いてると、そうみたいだな。
57
秀美
私は、別の会社から応援で来てたし、あなたとは別の担当だったから、簡単なお礼しか言えなかった。
それから、あなたの事が気になって……
でも、付き合う気はありません。
58
英雄
ちょこちょこ、受けた傷をエグッてくるな。
まあ、あれから俺達バイトやめたからなぁ……、それからずっと俺を探してたのか?
59
秀美
探偵もやとったし、優秀な警察犬も借りて、匂いを辿ったりしたわ。
60
英雄
よく貸してくれたな。
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