ホストクラブの罠(不良総受け)
第6章 媚薬効果
頭の中でぐるぐると同じ言葉が回っていた。
痛む身体をギュッと抱きしめながら、俺はまた深い眠りについた。
××××××××××××
「ん・・・・」
喉の乾きで目が覚めた俺は、となりで小さな寝息をたてている男の姿に驚いた。
「きょ・・・恭平!?」
「ん・・・あぁ?」
寝ぼけ眼の恭平は俺の腕を掴んで布団に引き込む。
「おい!何やってんだよ!」
「ん~~」
広い胸の中に顔を押し込められた俺は、がらにもなく照れてしまう。
恭平の匂い。
微かに香る香水の匂いに小さく高鳴る鼓動。
「おい!!!ばか!!
引っ張んな!恭平!!」
「・・・・ん?」
ポリポリと頭を掻きながら起き上がった恭平は、俺を見るなり不機嫌になる。
「間違えた。」
ボソッとそれだけ呟くとまた布団をかぶって眠りはじめた。
「誰と間違えてんだよ!クソ野郎。」
だけど・・・
サンキューな。
心の中で呟く。
あのままあそこにいたら、きっと他のホスト達に見つかって、恥ずかしい姿を見られていただろう。
男にレイプされたなんて口が裂けても言えねぇ。
だから俺はちょっとだけ恭平に感謝していた。
言葉には出来ない
『ありがとう』。