359°
第9章 funky&crazy
放課後。
早速練習を始めるというので、卓也はひとり視聴覚室に向かった。
その間も廊下でチラチラと視線を感じる。
(いやぁ~まさかこんなに反響あるとは…もうオレ超有名人じゃん)
卓也は口笛を吹きながら、階段を軽快に降りて廊下に出る。
ドンッ!
「きゃっ…」
突然肩に強い衝撃があり、すぐ耳元で女子生徒の悲鳴が聞こえた。
バサバサと何かが落ちる音がする。
「わ、ごめっ…!!」
卓也はとっさに謝る。
ぶつかった女子生徒の方を見ると、ちょうど女子生徒もこちらに顔を上げるところだった。
「あ…」
女子生徒が小さく声を出す。