
恋と愛の狭間で
第13章 第13章 痴漢ごっこ
ショッピングモールからすぐに行ける地下鉄の駅にいる。
平日の午前中。
街中なだけあって割りと混んでいる。
(人が多いから影になるし、目立たないからちょうどいいや。)
なんて浅はかな考えをしていた。
この駅から先は当分片側のドアしか開かない
私達がいるのは開かないほうのドア。
私はドアを背にしてカズと向かい合ってた。
カズとの身長差で周りからは私は見えにくい。
電車が走り出す。
カズといつものように会話をする。
カズが私にだけ聞こえるような小さな声で…
『痴漢ごっこしよ。』
