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「なんだよ、兄貴ッ!!　まだキスもしてねーのかよ!?」

「あああ当たり前だ!!」

槍倉誠一は弟である駿二になじられ、顔を赤くして反論する。

「そんな、いきなりキキキスなんてっ……するわけないだろう……」

「せっかくふたりきりでデートするチャンスまであげたのに」

「何がふたりきりでデートするチャンスだ！　お前が勝手に友美さんと俺を振り回しただけだろ!!」

やれやれという風に肩をすくめてため息をする駿二。

「兄貴が友美ちゃんと仲良くなって、優花ちゃんも連れ出してダブルデートの予定なんだから頼むよ」

「優花ちゃんって……マネージャーの葉月優花のことか？」

「そうだけど」

「だってあいつは芹沢の彼女なんだろ？」