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……どうしてこうなった?

第16章 ダブルデート!?

「そんなこと言って……兄貴だって友美ちゃんはタイプだろ?」

「バッ……バカッ……俺は……そりゃ、まあ、タイプだけど……今はサッカーだけだ。最後の一年だからな」

「そうやって自分のキャパを自分で縮めるの、兄貴の悪い癖だよ」

「自分のキャパを……?」

「そう。今はこれしか出来ないとか、これに集中したいって言って自らの選択肢を縮める癖」

「そうかなぁ」

考え込む表情になり、誠一は黙る。


「まあ、とにかくダブルデート、設定するから。よろしくね」

「お、おい、駿二っ……」

有無を言わさず駿二は話を切り上げ誠一の部屋から出ていってしまう。


「自分のキャパなぁ……」

誠一は愛くるしい友美の顔を思い出し、少しにやけた。


もちろん自分がにやけているなど、誠一は気づくはずもなかった。

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