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……どうしてこうなった?

第20章 槍倉駿二のデビュー戦

駿二は担架に乗せられピッチの外に連れ出される。

東雲学園のメンバーは駿二が気になったが試合を続行しなくてはならない。

駿二へのファウルで手に入れたPK。

「俺が蹴る」

動揺したチーム内でそう申し出たのは槍倉誠一だった。

弟の負傷退場で動転しているはずの誠一は冷静にボールを置き、助走をとった。


そして一転の迷いなく、ゴール右上方にボールを蹴りこんだ。

キーパーも右に飛んだが、上にあげるボールを蹴るとは予想しておらず、止められない。


ピピーッ


ホイッスルが鳴り、東雲学園の追加点を告げたが、誰一人喜ぶものはいなかった。

誰もが心配そうな視線をピッチの外にいる駿二に向けていた。

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