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……どうしてこうなった?

第27章 生徒会長、陸奥佳奈美の勝利

「待ってよっ! タクヤ!」

「ほら、早く来いよアヤッ!」

優花の目の前に小学生前の小さな男の子と女の子がちょこちょこと走る。

タクヤと呼ばれた男の子は遅れてるアヤという女の子を待っている。

追いついたアヤはタクヤににっこり微笑む。

タクヤもにっこり笑ってアヤの手を握った。

「よし、じゃあいくぞっ!」

「うんっ!」

二人は笑いながらそのまま駆けていった。

幼い二人が笑う声がだんだん小さくなっていった。


私たちもあんな風だったんだな……

ずっと、あのままだと思ってたんだけどな……

そうもいかないんだよね……

時間の進みは残酷だ、と優花は心をチクッと針で刺されたような痛みを感じて目を閉じた。


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