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……どうしてこうなった?

第28章 交わらない平行線

夕暮れ時、橘は鎗倉駿二と共に帰宅した。

探しても見つからなかったと意気消沈していた優花と不安で胸いっぱいだった母は橘の帰宅を喜んだ。

「今日は、そっとしておいてあげてください。
優花ちゃんも。
色々あるでしょうが、一旦あいつの中で整理させてあげて下さい」

駿二は橘を庇うようにそう言って頭を下げた。

駿二のその言葉で二人は橘の辛さを今更ながらに気付き、従った。

優花と駿二はそのまま橘家をあとにした。


「ありがとうね、駿二君」

家を出て、優花は真っ先に駿二にお礼を述べた。

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