テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第28章 交わらない平行線

「まぁ、確かに悪い奴じゃないよな、橘って」

優花の家の前で立ち止まって二人は会話をする。

「そうでしょ? すごく優しいとこあるし、すごく努力家だし」

「はいはい……片想いの女のノロケ話ほどくだらねーものはねぇな」

「くだらないとは何よっ! 駿二君はちょっとデリカシーに欠けるのよ。もっとこう、女の子には気を遣いながら話をしないと」

「面倒くせぇ!」

「面倒なものなんです、女の子は。勉強になった?」


「はいはい……大変勉強になりました」

ははははっと二人は笑い声を上げる。

その場所は橘の部屋から丸見えだということを二人は失念していた。

橘はそっと二人のやり取りを二階の部屋から眺めていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ