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……どうしてこうなった?

第28章 交わらない平行線

芹沢はサッカー部の練習も休まずに来ていた。

優花はわざと目も合わさず、存在そのものを無視してマネージャー業務をこなした。

近づいてもスッと立ち去る優花を見てさすがの芹沢も苦笑した。

大会の県予選はいよいよベストエイトの戦いと緊迫していた。

練習にも熱が入る。

天才ミッドフィルダー上遠野は県内では話題を呼び、地方新聞の記者も取材で訪れるほどであった。


忙しさの中で優花は気を紛らわせていた。

橘のことも。


芹沢のことも。


強烈な駿二のアプローチも。


忙しいということであまり考えず、没頭したふりをしていた。

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