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……どうしてこうなった?

第29章 不協和音

「よお優花ちゃん」

芹沢はそんな優花の態度などお構いなしに声をかけてくる。

しかし、無視。

徹底的に無視。


優花は無視の態度を貫いた。


その優花の対応に他の部員たちはハラハラした。


確かに芹沢はサッカー部では明るく元気に練習をしているが、怖い人間だということを知っているからだ。

二年生までは素行も目立って悪く、現行犯で捕まったことはないが暴力沙汰の事件の噂は絶えなかった。

街を歩いているチンピラ連中は芹沢を見るとビビるか、敵愾心剥き出しになるか、逆にやけに親しそうに声をかけてくるかのいずれかである。

正直得体の知れない危険人物というのが一般的な芹沢の印象である。

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