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「さぁ？　私のあずかり知らぬところでございます」

しれっとそう答える茅野を陸奥は睨みつける。

「旦那様は色々と手を尽くして調べられる方なのでそれでお調べになられたのではないでしょうか？」

そう言われて陸奥も冷静になる。

確かに父はどのような手を使ってでも自分の思い通りにする人間だ。

わざわざ茅野から報告を受けるまでもなく、娘の監視はしているだろう。

「私は疲れました。茅野、出て行きなさい」

「かしこまりました」

主に命じられた茅野はいつも通りの表情のない表情ですっと部屋を出て行く。

どうしようも出来ない苛立ちで陸奥はギリっと奥歯を噛み締めていた。