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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

茅野は一定距離を置いてずっと優花の後をついてくる。

なにも言わずついてくる茅野に優花は苛立ちを感じる。

「着いてこないで下さい」

気になって仕方ない優花は振り返り茅野を睨んだ。

「私もこちらに用事がありますので」

優花の威嚇など茅野に通用するはずもなく、しゃあしゃあとそう言ってのける。

「本当にもうっ……」

不愉快ではあったが茅野も仕事の命令でしているのだから仕方ないと諦める。

「そうやって後ろを歩かれるとなんだか圧迫感あるから隣を歩いて下さい」

はぁ、とため息をついて優花は告げる。

「かしこまりました」

ほんの少しだけ微笑んで茅野は優花の隣に来る。

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