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学校の人や警察はもちろん、親にもこのことは知られたくなかった。

完全に何もなかったものとして片付けたかった。

はじめは必死に説得した茅野だったが、最終的には陸奥の意見に折れた。

陸奥が涙をこぼしながら「誰にも知られたくないの……お願い、茅野」と言われ、折れた。


とはいえ絶対に安静にしなくてはならない。

茅野は自分で出来るだけの治療を行い、陸奥の回復に努めた。

当然学校はずっと欠席させた。

身体的には回復した陸奥だったが、精神的な傷はそう簡単には癒えてくれなかった。

事件以来、陸奥佳奈美は笑うことも怒ることもなく、たまに表情を変えず涙を流した。