テキストサイズ

キレーな顔した狼さん。

第14章 11匹目

湊さんのメールに止めを刺されてしまった…

適当に、

すみません、何の事だか。
今日は疲れたので失礼します。

とだけ送っとく事にした

変に、了解です。とか、はい。とか送っちゃうと、認めた事になって
拒否権がホントに無くなるからな…

もー…どーしよ。

………瑠樹…今頃…どーしてっかな…

ふと、瑠樹の事が頭に浮かぶ

でもすぐに打ち消した。

ダメだ。考えたくないのに…
普通にしてると、すぐに瑠樹の事が頭に浮かんでくる……

どんなに打ち消しても、無駄なのに…

必死に自分に言い聞かせる。
大丈夫。大丈夫だ。と…

何が大丈夫なのか…
何に対しての大丈夫なのか…
そんなの、自分でも解らないのに…。

もーやだ。
こんな気持ちになりたくない…

…こんな風に…自分の気持ちに振り回されたくない…

ワハハハハ…────っキャーー──
カチ…カチっ…──

テレビの音も…時計の音も…
全ての音が、今の俺には酷く耳障りで…
雑音にしか聞こえなかった

ガタッ

テレビを消そうとリモコンに手を伸ばすが、滑らせて床に落としてしまう

「も…や……」

今の俺には…どんな些細な事も、
全てが…俺を追い込んでくるみたいで…

耳を塞いで、踞る…

訳も無く…泣きそうになった時、

ピンポーン──

玄関のチャイムがなった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ