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キレーな顔した狼さん。

第14章 11匹目

「汐里さん!絶対、勝ってみせますから!……今はまだ、私の方が負けてるのなんて見え見えだけど…でも!絶対っ、負けませんからぁ」

最後の方は半ば自棄(ヤケ)になりながら叫んで勢いよく後ろを向く

すると…───ドンッ

「うわっ」「いたっ」

すぐ後ろの誰かとぶつかったらしく
瑠花は尻餅をつく

「だ、大丈夫かい?」

そー言って、瑠花に手を差し出すのは…

……親父?

「えっ!?親父!?」

「おー汐里!すっかり元気そうじゃないかあ!」

ガッハッハ

なんて豪快に笑う親父

「あ、あの!私…失礼します!」

「ああっ、ちょっとっ…」

「行っちゃった…
誰?あの可愛い子……一瞬、瑠樹くんかと思っちゃったわー」

「あ、汐里?あのリムジン何?
すっごく目だってんだけど…?」

「汐里兄ちゃん!ただいまぁ!」

口々に喋り始める家族一同……

はぁ…

瑠花の戦線布告に負けないように
誓いをあらたに…

とりあえず…もう、リムジンで家に来るのは止めさせよう

と、心から思う俺であった…

只今の時刻…8時00分。
親が帰って来るまで、
あと…0時間00分。

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