キレーな顔した狼さん。
第17章 13匹目
瑠樹の貪り事件から数日。
あれ以来、俺は瑠樹と身体を交えていない。
…別に…あれが嫌だった訳じゃない。
つか、むしろ嬉しかった…りもした気がする。
好きな奴から求められて、嫌な気持ちになる奴はいねーだろーし。
いつも余裕な顔して笑ってるアイツが
何処か焦って取り乱してる姿は、
何か見てて可愛かったっつーか…
ま、まぁ何つーか…
取り敢えず!!あれはあれで……うん。
じゃぁ何でシてねーかっつーと…
あの日の放課後の事が原因だ───
─────
「しっおりーーっ!」
「うおっ…んだよ、ったく…
びびんだろーが!」
放課後。
いつもは彼女と帰るはずのマサが珍しく別々で帰るらしく、一緒に帰ろうと言ってきた。
俺も今日は瑠樹と帰れねーしって事で一緒に帰ろうと思って校舎を出た。