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キレーな顔した狼さん。

第8章 6匹目

「にしても、今日…天気いいなぁ…」

地面のアスファルトを見ながら歩いていると、頭上からそんな瑠樹の呟きが降ってきた

「うん…確かにな…」

その言葉に俺は顔を上げる。
瑠樹の言うとおりだ。
俺の目が変なのかも知れないが
今日は全てが光って見える

サァーー…

心地いい風が吹き髪を揺らす。
緑の木が太陽に照らされ、伸び伸びと
背を伸ばしている

小鳥達も絶えず囀ずりながら忙しなく飛び交う

何とも絶好のデート日和だ

空を見ながらそんな事を思っていると

ギュッ
「わっ…」

突然、握られた自分の手

驚く俺を満足そうに眺めながら
瑠樹は足を進めた

「汐里、何処いきたい?」

しっかりと俺の手を握り、瑠樹は俺に訪ねる

「え…えと…」

繋がれた手と手…手を繋ぐなんて
きっと大した事じゃない。

俺も女子から一方的になら繋がれた事は幾度と無くあった

瑠樹とだってもっとすごい事、何回かしてるのに…

好きな奴となら…どんな小さな事でもこんな気持ちになるんだ

ムズムズするっつーか…
なんつーか…なんか、良いな…こーゆーのも

自分の手を見て幸せな気分になるなんて、そんな日が来るとは思ってもみなかった

瑠樹と手に意識が集中し過ぎて、何処が良いとか、そんなん、毎日考えてたのに…頭が働かなくて…

もー瑠樹となら何処でもいいや…

「え?…そんな事言っちゃっていいの?…ここ外だからなぁ…汐里にはまだ早いよなぁ…」

真顔で考え込む瑠樹の大変な言葉に、
……もしかして、今の…口から出てた?

という、考えにいたる

「////」

ヤバイ…これはハズイ…

一人赤くなっていると

「何赤くなってんの?」

考え事は終わったのか瑠樹が俺に聞いてきた

俺としては、さっきの瑠樹の考え事などさっさと終わらせて頂いて一向に構わんのだが。

「い、いや…とりあえず、ファミレス行くかっ」

このままじゃ、またいつもの二の舞だっ

これはイカンっ!
そー思い、何となく空いてきた腹を満たそうと提案してみた

「んー、そ~だなぁ…朝ごはん食べたの早かったし…そーしよっか」

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