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あなたが消えない

第15章 初出勤日の夜

しかし翔は、部屋に入ってガサガサと音を立てるなり、30分もしない間に部屋からまた出て、そのまま車でアパートから走り去って行った。

え?…何で出て行ってしまうの?

おかしな行動をしている。

どうして、ここで眠らないの?

その前に、どうして深夜のこんな時間に自宅をうろついたのだろう。

まるで、自分の姿を誰にも見られないようにしているみたい。

やっぱり、今夜の翔はどこか優し過ぎてぎこちなかった。

何故なの?

そう思いながらも、布団の中でも翔の温もりを思い出し、抱き締められた感覚で、やっと安心して眠りについた。

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