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「…そんなふうに言わないで」

私は和男の発言に、何だか凄くムカついて、思わず席を立った。

「何だよ、翼のフォローしてやったのに、おまえが俺を責めるのは筋違いだろ？」

「…愛想悪くたって、無視したって、釘を刺す言い方だったとしても、あの人にだって正当な理由があってやってるかも知れないでしょ。それよりも、私が和男に言いたいのは、相手が勘違いしてしまうような無神経な言い方は止めて欲しいの。ただ、それが言いたかっただけよ…」

「あぁ、そうかよ！他所の旦那のそういう態度は許せても、この俺だと許せないから態度を改めろってか？」

和男は一瞬で顔付きが変わった。

「相変わらず身勝手だよな、おまえも。好き勝手にワガママ言ったりして、俺の気分を逆撫でするような事ばかり言って！それこそ無神経な態度は、やめてもらいたいな！」

…。

私は眉間にシワが寄ってしまった。

「ごっ、ごめんね。私は…」

私は、永津さんを悪く言われた事が凄く不愉快に思ってしまったから。

自分を悪く言われるのは、我慢できるけど。

でも、和男は私に気にするなと言ってくれたのに、確かにあんな言葉を出してしまえば、和男も不機嫌になるよね。

「何か、翼と話すとイヤな気持ちになる…」

私は、そう言われて何も言い返せなかった。

だからなのか、その日は必要以外は和男との会話はなかった。