テキストサイズ

あなたが消えない

第13章 あなたの全てが欲しいのに

「ごめん、優しくするよ」

ゆっくりマッサージするように、胸を揉みほぐしては、立ってしまった乳首を優しく摘まみ上げる。

「…あぁん…んっ…」

その刺激に声が漏れてしまった。

私って、本当に単純。

「もっと声出して、いいんだよ?」

耳元で囁く。

「足りない?」

そう言いながら、翔の指先は滑るように下って、股先の奥へと入り込み、アレを探りあてる。

「見~付けた」

人差し指の先端が、小さく尖ったアレをかすめた。

「…あぁんっ!」

声を上げて、よろめいた。

「敏感なんだ、やっぱりここ」

ゆっくりと指先を動かされて、私は腰が砕けてしまうくらいだった。

クチュクチュと、いやらしい音がお風呂場の中で響く。

何度もよろめく私を、翔は支えてくれた。

「…はぁ…はぁ…はぁ…あぁっ…んっ…んっ…んんっ…」

翔の指先の動きが、目に入るとより一層快感が襲う。

その度に、翔は後ろから顔を前へと覗かせて、私の顔を見てくる。

だから、私は求めてくる視線に合わせて横目で、

「あんっ…翔、キモチイイ…」

と、腰を動かしながら答える。

「だろうね、翼イイ顔してるから」

そこばかり摩擦されて、今度は別の場所がこらえきれなくなって、翔のが欲しいとピクピクする。

翔のがとっくに硬くなって、私のお尻の間に突き刺さるのが分かる。

分かっているから私は、お尻をそれに擦る。

「翼…愛してるよ…」

違うの。

そんな言葉が欲しい訳じゃないの。

翔は片方の手で乳首をクリクリと摘まみながら、首筋に口唇と舌先で愛撫する。

「あん、あん、あん…」

身体をくねらせて、腰を動かしながら、私は片手で、翔の熱く張りつめたモノをグッと掴んだ。

「翔、欲しい…これ欲しいよ…ダメ?…」

私は精一杯甘えた声で言ってみた。

「まだ、ダメだ」

予想通り拒否された。

翔はいつも、私からおねだりすると焦らすように拒否をする。

「だってさぁ、翼まだイッてないだろぉ?」

また覗き込み、私と意地悪に視線を合わせるから、その目でまた、キュッと疼いてしまう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ