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初めての彼氏

第1章 そのいち

「…きいてる?」


私が何も返事をしないものだから、彼が不安そうに首を傾げた。


私は慌てて頷く。


き、きいてるけど…っ!けどーー!!


「…で、返事は?だめ?いい?」


「へ、へんじ…!」


どどどどどどどどしよう!!?
全く面識が無い人ってわけじゃないんだけど…!それでもやっぱりあまり喋ったことのない人だし…!


で、でもでも…!!


あれこれと考えていると、不意に彼が私の両腕を掴む。


いきなりのことに私は思考回路をとめてしまった。


そして…


「…嫌だったら、抵抗していいから」


え…


そのまま、彼は顔を近付け…


唇が、重なった。


するとアッサリ身体を離す彼。


私は唖然として、動くことが出来ない。


「今のが返事ってことで、いいよね?」

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