
紅桜学園イケメン部!
第13章 無力で愚か
「俺ら、これからどうする…?」
「それは…」
瑠菜も気付いてる。
俺達には、逃げ場がないんだ。
親戚もろくにいない。
友達の家に行くなんて、そんな図々しい事考えられない。
俺達の居場所は、この家しかないのだ。
悪魔の住む、この家に住むしかないのだ。
俺は力が欲しい、そう思った。
スポーツもろくに出来ない俺だけど、力が欲しいと思った。
その日から俺は、喧嘩に入り浸るようになった。
始めは弱くて負けていた俺も、すぐに強くなっていった。
それは当たり前だったのかもしれない。
他の奴らはストレス解消とか金が欲しいとか、そういう理由だったけれど、俺だけは強い目標があったからだ。
『悪魔に対抗する力を手に入れる』事だけが目標だったのだ。
