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紅桜学園イケメン部!

第24章 王子様

「たったく…み…」

「大丈夫?…みなみ」


震える体を抱きしめる拓己。
あたしは拓己にすがりついた。


「拓己…怖かった」


体が震える。
怖い。


ふと、瑠璃の妹の事を思い出した。
瑠菜ちゃんは、こんな事を実の親にされてたのか。
…それを思い出すと身震いする。

あたしは襲われても力があるから大丈夫だと思ってた。だけど、無力なんだ。

…こんなに怖いんだ。
…震えが止まらない。


「みなみ、…おまじないかけてあげる」

「お、おまじない?」


あたしは拓己を見つめる。
いつもならフェロモン全開で、ふざけた表情しかしないのに。

今は凄く真剣な表情だ。
…こんな時だけ、ずるいよ。


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