
紅桜学園イケメン部!
第29章 前代未聞の結果
「拓己様あああ!」
「きゃあああ!」
あたし一人じゃ、きっとあの場の雰囲気を戻せなかった。拓己には本当に感謝してもしきれないな。
「じゃあキスだね?」
耳元でそっと囁く拓己。
…忘れてた。
転けた事が恥ずかしすぎて、完全に忘れていたあたし。バカだ。あたしの馬鹿野郎!
さっき逃げれば良かった。脱走計画は失敗に終わったようだ。
「フリだけで良いよね?」
「じゃあフリだけで」
よ、良かった…。
周りから見れば、結局変わらないんだろうけど。あたしの心のダメージが大きすぎる。
キスした後、絶対拓己を意識してしまうから、あたしはフリだという事で内心凄く安心していた。
