
紅桜学園イケメン部!
第33章 会いたくない人
「ちょっ…!ちょっ!
おろせ!このやろう!」
こいつの腰には掴まりたくないから、掴まないようにしようと思った。
だけど、ちょっと前要にバイクに乗らせて貰った時とは桁外れのスピードに、本気で落ちるかと思った。
つまりあたしには「腰につかまる」という選択肢しか残されていないようだ。
…あの時はあたしの為に、スピード抑えててくれたのかなぁ、なんて。馬鹿な自惚れみたいな事を考えていた。
まぁーこいつが
馬鹿なだけだよね。
このスピードは異常だと思う。
とりあえず降ろして欲しい。
直ちに降ろして欲しい。
「おろせや!」
「…ここで振り下ろしてやろぉか?怪我どころじゃ、すまないねぇ?」
そんな事を言われたから、
黙るしかなかった。
今は降りる事よりも、命が大事だ。
拓己との約束より、命が大事。
