
紅桜学園イケメン部!
第34章 その〝場所〟
「あー…いいよ。
お前には教えてやる
耳がっぽじって
よーく聞けよ?」
…沈黙が続く
「…この墓は俺の本当の
お母さんの墓なんだよね」
ポツリと呟くように言う
悠人の声が、空気に溶ける。
「お…母さん?」
よく言ってる意味が分からなかった。
だって悠人は拓己の兄で、同じ「遠藤」じゃないか。なんで「遠藤」じゃなくて「神内」なのだろうか?
不思議に思っても、自分から聞くのはきっといけない気がする。でも、一つだけ分かったのは…悠人はそのお母さんが、大好きだったんだと思う。
その証拠に、悠人は今
凄く泣きそうな顔をしていた。
