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紅桜学園イケメン部!

第35章 愛欲



「ほら悠人、お兄ちゃん
なんだから拓己に譲りなさい」


それがお母さんの口癖だった。

いや、お母さんではない。


血の繋がらない
育ててくれた人。




『兄に譲れ』というより
『自分の息子に譲れ』と
言いたいのだろう。




所詮俺は血の繋がらない息子。
ひいきするのは当たり前。

面倒事はいつも俺。




テストで例え俺の方が良かったとしても、褒められるのは弟なのだ。


どんなに俺が頑張っても、
俺が褒められる事は無かった。

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