
紅桜学園イケメン部!
第4章 モラルの無い奴ら
「…要には、誰もいないんだ。
信用出来る人も、頼れる人も。
・・・誰も。」
凛くんの言葉に、息が詰まりそうになった。
「お母さんとか、お父さんとか…、」
「僕が言えるのは、それだけ。知りたいなら本人に聞いてね?」
可愛く、にっこりという凛くん。
だけど目は笑っていない。
いつもの凛くんではない。
「凛くんにも、あるの?」
「ん、何が?」
絶対何か分かってる。
何のことか分かってるのに、わざわざ聞き直す。
聞かないで、のサイン。
きっとまだ、聞いちゃいけない。
一線だ。
「・・・ん、何にもない」
「そ?じゃぁー飲もっか!」
いつも通りの笑顔に、あたしは安心した。
