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甘いキスを永遠に

第69章 星降る夜に

「元哉は東京育ちだからね」


「ああ、ここはやっぱりいい所だ」


そう言って、エンジンはそのままにして車を降りた。


私も後に続いて車から出た。


元哉はダウンジャケットのポケットに両手を突っ込み、天を仰ぐように星を見上げていた。


暗闇の中、元哉の後ろ姿は昔よりずっと大きく見えた。


私は襟巻きをギュッと巻き直し、元哉の腕にしがみついて、夜空を見上げた。

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