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甘いキスを永遠に

第11章 元哉執事

その日の帰りも、元哉の自転車に揺られながら家路を通る。


「元哉、歌って。何でもいいから」


「どした?麻実ちゃん?」


「どうもしない。元哉の声が聞きたいの」


「素直な麻実ちゃんは可愛いなあ。よし、デカい声で歌ってやる」


元哉は張り切って、即興で作った歌を歌い出した。


背中から伝わる元哉の声に涙が出そうになった。


こんな甘ったるい時間から抜け出さなきゃ。


こんな事長く続かない。


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