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心から

第3章 心からの笑顔

ユメは言葉を失い、肩をビクンと震わせた。

「でも、嫌いになったから別れるんじゃない。
友達になるんだ」

「友、達…?」

首を傾げるユメに
僕は語りかけるように
話を続ける。

「そう。ユメが毎日一緒に居ても飽きないくらい、
毎日会っても物足りないくらいの友達に。

互いを信じあえて、
どんな時でも向かい合える関係になろう」

ユメの目からは止まった筈の涙が溢れ出した。

でもその涙が
悲しみの涙じゃないことは
手に取るように解った。

きっとそれは
僕がユメを信じているから。

「葛城ユメさん。
僕の友達になってくれますか?」

ユメは微笑んで
僕の手を握った。

「喜んで」

僕はこの時初めて
ユメの心からの笑顔を知った。







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