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心から

第1章 君にとっての僕

「今日は橘(タチバナ)か…」

ナゴミの呟きに
僕はハテナマークを
頭上に浮かべた。

「橘がどうした?」

「いや、お前の彼女の葛城(カツラギ)ユメだよ。
今日は橘と話してんなって」

「それがどうしたんだ?」

僕は首を傾げた。

別にユメが
誰と仲良くしようが
どうも思わない。

男だったらちょっと
どうかと思うけど、
ユメは男友達が少ないし。

「昨日の葛城は誰と話してたの?」

ナゴミの問いに
記憶を辿って答えを探す。

「えっと…確か
藤原(フジワラ)と安部(アベ)じゃなかったか?」

傾いた頭を元の位置に戻すと
今度はナゴミが首を傾げた。

「まだ解んない?」

「は…?」

思わず言葉に詰まった。

「ユメがどうかしたのか?」

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