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君の笑顔

第43章 追い討ち ~陽介~

でも………


「いいのか、お前。ウラは…」


そういいかけたとき、


「知ってるよぉ」


と鈴木は言った。


「え?」


と俺が聞き返すと


「和泉でしょ?」

とあっけらかんと言った。



「なんだお前、しってんのかよ……」



片野の名前が出ただけで胸が痛み出す。



「いや、だって、あれ知らない方がおかしくなぁい?」


「なら、なんで、お前…」


少し聞きづらかった。



だが、鈴木は全く落ち込んでいなかった。


「紗也ね、移動教室始まるまでは、何とも思ってなかったぉ」

相変わらず
指は髪をクルクルといじっている。


「だけどねぇ、和泉が捻挫したときさぁ、本当に王子様みたいで…」


鈴木はしばらく黙ると、あぁ!っと思い付いたような顔をした。

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