
彼と心と体と。
第37章 不機嫌と優しさ
いよいよ受験生になった。
日々の勉強に追われて、時間に余裕がなくなった。
拓海に会えない日が続いていた。
あたしは忙しいおかげで、寂しくはなかった。
メールが面倒だと言って、拓海はとても無愛想な返信を続けた。
それなら要らないと思い、私は返信をやめた。
お互いを咎めない。
あたしたちはいつもそうだ。
返信がなくて気にしてた頃を、今は初々しく思える。
私はここを離れて、遠いところへ進学するかもしれない。
一度話したけれど、拓海は頷くだけだった。
何も言わなかった。
少しも寂しくないのだろうか。
少しくらい惜しんでみせろよと思ったのに、あたしは笑顔で手を振った。
