WONDERな世界
第3章 WONDER LAND -EPISODE #2-
SIDE#ヴァンパイアプリンセス
「悠(ユウ)お嬢様。何故、一人で
出歩いたのですか?」
心配そうな声で私の後に
ついてくる楓(カエデ)。
彼は私の執事。私は所謂お嬢様。
別の意味でのね―
端から見れば私と楓は、
人間のお嬢様と人間の執事。
でも違う。人間ではない。
「貴方様は身の危険、自身のお体の
事はお分かりなんですか?」
「わかっているわ。」
楓は古びた屋敷の扉を開けて私が
屋敷の中に入ったのを確認し扉を閉める。
「でしたら外出する際は私に
一言申してください」