WONDERな世界
第6章 WONDER LAND -EPISODE #5-
驚いた。
まさか彼女がヴァンパイアだなんて。
思考停止していると彼女が
俺に銃口を向け撃つ。
「Σ…つっ」
間一髪で避けたが右腕を掠めた。
白いカッターシャツの右腕から紅い血が
滲み、腕から手へと一筋の血が伝う。
その間にも彼女は俺を襲う。
咄嗟に物陰の壁に隠れる。
女に手を上げる趣味はない。
「どうすればいいんだよ」
色々悩んでいたせいか
回りの気配、殺気に気づかず
彼女に脇腹を蹴られる。
「ぐぁっ…」
細い足にしては驚異的な破壊力だ。
蹴られた脇腹に手を当てしゃがみこみ
彼女を見上げる。