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WONDERな世界

第10章 WONDER LAND -EPISODE #9-


 「私の体に傷をつけた事を
  後悔させてあげるんだから」


先程までの可愛いらしいイメージが消え、
今は冷血な目をしている少女。


 「回りの気配に気付かない
  貴方が悪いんじゃないの?」


締め付けられている手首を少女に
引っ張られて手首からは紅い血が
紐に滴り落ちる。


 「ムカツク、小娘」


不意に体が宙に浮く。






      ―ガシャンッ






少女に紐を力いっぱい引っ張られて
体が宙に浮き窓硝子を割り教会の外へと
投げ出され地面に叩きつけられる。









       「悠ッ!!」
      「お嬢様ッ!!」










窓硝子が割れた事に気付いたカインと楓は
私の名前を叫ぶ。

そして次に聞こえたのはまた、
窓硝子が割れた音。


体を起こすと楓とカインが教会の外に
投げ出され二人共体を起こしたり
立ち上がろうとしている。
教会の窓を見ると、少女とシャイルが
私達を見下ろしていた。


 「弱いなぁ…。
  そんな弱さじゃ
  本当に死んじゃうよ?」


少女は窓枠にしゃがみこみ満面な笑顔を
見せる。


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