テキストサイズ

ポーカーフェイス

第7章 夢覚めて

「棗!」


大好きな人の声が私を呼ぶ。


私は満面の笑みで振り返り、その人の言葉を待つ。


「お前、また女子泣かしたんだって?」


歳の割には大人っぽい顔立ちの翔だけど、笑うと幼さが見え隠れする。


そんな翔の笑顔が何よりも大好きだった。


「だってね?今更友達になってほしい、なんて言うんだよ?だから、少し意地悪しちゃったの」


私がそう言うと、翔はまたくくっと肩を揺らして笑った。


「ははっ、やっぱ棗はそれくらい元気がなくちゃな!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ