テキストサイズ

喫茶店ルノアール

第1章 1

俺も後腐れのなくここを出よう。
ふと、彼女の座っていたテーブルに目を向けた。
彼女のコーヒーがのっていたコースターが裏っかえしにになっている。
気になってコースターをひっくり返した。

「あなたの勝ちよ」

彼女のバランスのとれた字でそう書かれてあった。
そう言えば彼女の最後の表情はどこか妙だった事を思い出す。
いろいろな感情が垂れ流しにあうかのように一瞬のうちに溢れた。
言い逃れはできない、お互いゲームに愛が移ってしまっていた事は、

ストーリーメニュー

TOPTOPへ