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ミウのストーリー

第2章 主導権

シュウがティッシュで私に放った精液を優しく拭いた。

張りつめていた緊張がふとほどけて、私はシュウの首に手を回し抱きついた。

わけもなく涙が零れた。

シュウのシャツが私の涙をそっと吸った。

シュウが私を抱きしめて、優しく背中を撫でる。

軽くキスをして離れると、私にパンティを履かせた。

それからシュウも自分のカラダを拭いて、服を着て、不安げにしている私を抱き寄せた。


『好きだよ』


私はもう一度泣いてしまった。


「シュウ……」


私はシュウの胸に頬を押しあてて聞いた。

「シュウは誰にでもこんな事をするの?」

『するわけないじゃん!ミウが可愛かったし、ずっとこうしたかったからだよ。

ミウこそ誰とでもこんなふうに会ったりしてるんじゃないの?』


シュウがちょっと冷たい態度で私に言った。


「えっ?まさか!そんな事しないよ。
シュウにしか会った事ないもの」

『ほんとかな』

さっきまでの優しかったシュウが嘘のように、意地悪な視線を投げて来た。

なんだか血の気が引いて、気分が悪くなるのを感じた。


私がグラッとふらついた時、シュウが支えて、二人ソファーに倒れこんだ。

シュウの胸で泣き始める私。


『嘘だよ。冗談だよ。ちょっと心配になっていじめたんだ。
ほら泣かないの』


でも私は大好きなシュウと初めて会ってこうなって、激しい行為の後に、突然そんな事をシュウの口から聞いて、すぐに気持ちが切り替えられなかった。


『ミウ、舌を出してごらん』


涙に濡れた私の顎を持ち上げ、シュウが唇を押しあてて、舌を差し入れて、私の唇を濡らした。


『ほら、舌を出してごらん』

恥ずかしそうに少しだけ出した私の舌先を、シュウの舌先がくすぐるようにかすめた。

わざとじらすように、少し触れると離れそうになり、私は恥ずかしいのにシュウの舌を求めて、シュウに舌を自分から差し出した。


ピチャピチャと二人の舌が音を立て、悩ましい溜め息が部屋に漂った。

シュウがキスを繰り返す。

私は涙を流したまま、押しあてた舌先に絡みつくシュウの舌を感じながら、カラダの奥を収縮させて果て、シュウの胸に崩れ落ちた。


『ごめんね。もう泣かないの』


シュウが肩をポンポンと叩いた。


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