
16歳に恋する23歳の俺。
第11章 慧side
ドアを開けて
外に出ると大地と呼ばれる男は
俺の胸ぐらを掴んだ
「てめぇ優美花ちゃんに何してたんだよッ!!」
「っていうか、お前誰?」
「越川 大地だよ!!」
「名前名乗られても知らねぇ」
「お前誰って言うから答えてやったんだろうが!!」
ぎゃーぎゃー言い合っていると
優美花が間に入って
大地に抱きついた
大地は一瞬にしておとなしくなり、
ぎゅーっと抱き締めた
「優美花ちゃん…大丈夫か?
何もされてねぇ?」
「大丈夫……」
二人を見て
俺は車に乗り込んで
エンジンを掛ける
「幸せなのは今だけかもな…?」
独り言を呟いて
俺は車を走らせた
