
16歳に恋する23歳の俺。
第9章 関西弁
「飲んでたんですか?」
「あぁ…ちょっと、由真んとこにな……」
そうですかーと、しらっとした顔で
冷蔵庫から水を取り出して俺に手渡す。
俺の心配も露知らず、
優美花ちゃんはキッチンに立って
鍋を温める。
「……それは?」
カウンター式のキッチンだから
俺は顎に両手を重ねて
ぼーっと優美花ちゃんを見る。
「あ、キッチン借りましたっ
恐縮ですが朝食を作らせて頂きました」
ニコニコ笑いながら
野菜がたくさん入ったポトフ
いい感じに焼けたウインナー
トロトロのスクランブルエッグ
半熟の目玉焼き
それらを皿に盛り付けて
テーブルに並べた
俺は感動して言葉が出ないまま
椅子をずらして、座った
