薔薇はあいを囁く
第5章 男ともだち
「それに、お前、抱き心地が最高なんだけど?」
ムギュって、両胸を掴まれた。
「キャッ!?ダメだよ、ダメ。」
「胸でけーよな。」
「触ったりしたら、ダメ。あたし、婚約者がいるんだから!」
「は?」
あたしの言葉に驚いた須藤くんは、腕を退けてくれた。
「…マジか?」
目を大きく見開いて、あたしに聞いてくる。
「マジなの。6月には結婚するの。」
「誰と?」
「婚約者と。」
「だから、婚約者って誰だよ?うちら、まだ中3だろ?」
「あたしの事を施設から引き取ってくれた人なの。」
「いくつだ?」
「25才だよ。すごく、素敵な人で…。」
「…そいつ、ロリコンか。騙されてるんじゃね?」
「…えっ……。」
「お前にも思い当たる伏があるんだろ?じゃなきゃ、のこのこ俺の誘いに着いて来ないだろ?違うか?」
「………。」
須藤くんの言ったことが 、少なからず当たっていて、何も言い返せなくなってしまった。
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