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赤い恋 ~sho sakurai~

第36章 君がいない生活





和「もう、そうするしかないよ」


にのはそう呟いてリビングにあるパソコンの電源を入れた。


翔「大丈夫かな…?」

多分、SNSやってたとしても俺らだって信じてもらえる可能性は低い。


でも今はそうするしかないから。

いつまでも地道に探す訳にはいかない

俺らも仕事あるし、
長い間外に出るのもいいとは言えない。


和「とりあえず、『佐織』で調べてみるよ、最近結婚式挙げた、とか載せてたらビンゴでしょ」

にのはカタカタとキーボードを打ちながらパソコンの画面を見つめる。

……頼む…!

見つかってくれ…!


しばらくキーを打つ音だけが部屋に響いていた。

和「…ないな…、」


小さく呟くとにのはキーボードから手を離した。


翔「…………次、いってみよ」

最初だから、仕方ない。

そう思う心のどこかで
『もしかしたら見つからないかも』

って思ってる自分もいた。


俺はにのが打つキーボードと画面を交互に見つめて小さく溜め息をもらした。


和「…………その溜め息はちょっと早いんじゃない?」

翔「え?」


にのはパソコンから俺のほうに向き直って画面を指差した。


和「彼女、これじゃない?」


翔「……………………」


これ、

画面には、

『無事、結婚式挙げましたー!あたしの友達が手紙を読んでくれたよ!泣いちゃったよ(ノ△T)』

と、綴られていた。


翔「…………これ、そうだよね?!」

和「多分ね、」

にのはまたパソコンに向き直ってメッセージを送る画面を開いた。


和「個人とのやりとりが出来るようになってるから俺らってことは他の人には分かんないよ」


カタカタと文章を打ち込みながら俺に説明してくれた。

翔「…うん」

ほんとに信じてくれるのか、
まだ不安はあるけど、もうこれしかない。

和「よし…、」


メッセージを送って佐織さんの返信を待つ。


『Re: 題 初めまして。
突然のメッセージすみません。まず言いますと、二宮です。嵐の。実は今、結衣のことで困ってて力を貸してほしいんですが…。返信お待ちしております』



…結衣の名前を出してるからもしかしたら信じてもらえるかもしれない。


翔「…大丈夫かな…?」


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